公明党名古屋市会議員 | ばばのりこ | 中川区 | スペシャル対談

社会全体で子育てを支えるシステムを。

スペシャル対談
白石 真澄 × ばば のりこ

白石真澄.jpg白石 真澄平成18年の5月から名古屋市子ども青少年局で政策参与を務めた白石真澄さんは、「少子高齢化と地域システム」のエキスパートであり、テレビ出演や講演活動、さらに政府各種委員会で委員を務めるといった活動のなかで、少子化の要因と対策、仕事と子育ての両立に対する企業支援、子育て世帯への行政支援策、子どものための条例制定など、さまざまな提言をしてこられました。そんな白石さんと、名古屋市の子育て支援策をはじめ、現状の問題について意見を交わしました。なお、現在、白石さんは政策参与を退任されており、以下の発言は政策参与を務めておられた当時のものです。

政策参与として。幹事長として。

ばば.jpgばば のりこばば 白石先生と初めてお会いしお話をお聞きしたのは、先生が名古屋市の政策参与として着任された直後で、私が公明党名古屋市会議員団の幹事長に就任した、平成18年6月下旬だったと思います。白石先生のご好意で議員団との会議の機会を持っていただき、たいへんうれしかったです。

白石 こちらこそ、私も就任間もない時期で正直言って、非常に緊張していたことを思い出します。でも皆様に暖かくお迎えいただき、またいろいろなお話をお聞きできてありがたかったです。

ばば 私も幹事長駆け出しで、緊張していました。ちょうどその年の4月に公明党が「少子化社会トータルプラン」を発表したこともあり、限られた時間でしたが有意義な会議ができたと思います。それから2年半、白石先生のフランクなお人柄のおかげで、まるで友だちのように自由な雰囲気の中で、よりよい施策をいっしょに考えたり、相談できるようになりました。今回もお忙しい中で時間をさいていただき感謝いたします。

白石 名古屋市では、平成18年4月に「子どもと子育て家庭に思いやりのある優しいまちづくり」を積極的に進めていくために、「子ども青少年局」が設置されました。名古屋市の次世代育成支援施策への助言・提言などが政策参与としての私の役割でして、その責任の重さを感じながらこの2年半が経過しました。ばばさんとは何回かごいっしょいただき、いろいろな場面で参考になるお話をお聞きすることができました。また、ばばさんの市会本会議での質問を生で拝聴することもできまして、私のほうこそお世話になりました。

ばば あるとき、先生にヤマト福祉財団のお話をお聞きしましたよね。私も早速、財団に行ってきました。精神障がいのある方たちの就労の場が確保され、また社会参加の機会を提供するなどたいへん力を注いでいることを見聞きし、名古屋市にはない取り組みに、新たな施策のヒントを得ました。

白石 覚えています。ばばさんは行動が早いですね。その折には、ばばさんからも、東京都千代田区でも、新設の区役所の中に障がい者の授産施設が設置されているという、大胆な試みがあることを教えていただき、私も参考になりました。

他都市にはない「子ども条例」を。

ばば 今おっしゃったように、白石先生とはこの間、いろいろな場面や機会に意見交換をさせていただきました。「子育てするなら名古屋で」をキャッチフレーズにして、名古屋市の子育て支援施策は進んできました。政策参与としての2年半、お忙しい日々の中で、白石先生の印象に残っていることは何でしょうか。

白石 そうですね、いろいろとありますが、数点あげるとすれば、検討の段階で、ばばさんからもご助言いただきました「子ども条例」の制定、次になごやキッズステーションのオープンと同時期にスタートしました子育て家庭優待カード「ぴよか」、それから、「放課後子どもプラン」の検討でしょうか。

ばば 「子ども条例」の制定については、私も本会議でも取り上げてきましたが、せっかくつくるのですから、他都市にない特徴のある条例にしてほしいと思いましたし、子どもたちの命を守るという観点から、児童虐待防止についても盛り込んでほしいと考えていました。

白石 そのとおりだと思います。他都市の条例は、子どもの権利擁護に主眼がおかれているものが多いんです。名古屋市の条例は、子どもが安心して生きる、一人ひとりが尊重される、豊かに育つ、自分たちに関わることには主体的に参画するなど、総合的な権利を定めたうえで、これを守るために保護者、学校等、地域、事業者、行政が果たすべき役割を明確にし、互いに連携する内容としていくことが必要だという観点で検討したんです。
また、地域社会で人間関係が希薄化し、家庭や地域の子育て力が低下する中で、児童虐待やいじめといった子どもの人権にかかわる問題が顕在化しており、条例の中でもきちんと位置づけたものになったのではないでしょうか。これからもっともっと「子ども条例」を市民の皆さんに広報するとともに、条例に基づく総合計画の策定に全力で取り組んでいくことになりますね。

第2児童相談所建設の意義とは。

ばば 私は今年、スウェーデンをはじめ北欧に行政視察に行きました。それぞれの国の子育て施策にはそれぞれの特徴があることを勉強いたしました。現在、わが国でも各自治体がさまざまな取り組みを行っています。先ほど先生が名古屋の特徴を言われましたが、それぞれの地域の特徴にあった施策が大切であると考えます。そして、名古屋市にマッチした子育て・教育を実現させるために、国からの税源移譲を前提とした地方分権が必要だと思います。先ほど話題に出ました「ぴよか」も、名古屋市内だけではなく東海地方の地域に広め、その地域にあった子育て支援の広報啓発にも力を注ぐべきではないでしょうか。
もう一点は、子どもを産みたい人が安心して産める社会をめざす観点から、「多子世帯への支援施策」が必要だと考えます。
かつて、子育て支援のための特別委員会の設置を提案し、議会も設置した経緯もあるわけですが、子ども子育て支援施策を総合的に推進する局として誕生した子ども青少年局が、例えば、住宅の問題とか水道代の負担の問題といった、多子世帯へのさまざまな支援について、中心となって全庁的に考え、施策につなげていってほしいですね。また、児童虐待についても、深刻な問題ですので、今、名古屋市では第2児童相談所の建設が中川区で進んでいます。住まいからより身近な場所に相談機関が整備される点や相談の内容に対するすみやかな対応、特に児童虐待のケースの早期発見・早期対応を進めていくうえでも、第2児童相談所は期待されている施設だと思います。

白石 第2児童相談所は、ばばさんの地元で建設されますので、お世話になりますがよろしくお願いします。今、ばばさんが言われたように、児童虐待は社会的にも深刻な問題ですね。児童虐待を防止し、児童の健全な心身の成長、自立を促すためには切れ目のない総合的支援が必要だと思います。名古屋市でも児童虐待に関する相談件数も増加していますが、その要因の一つに虐待防止についての認識や理解の高まりもあると思います。政令指定都市で複数の児童相談所を備えている都市は、横浜市、川崎市と名古屋市の3市になりますが、地域の皆さんの期待にこたえられるような施設を目指してほしいと思います。

地域と行政が連携をとって。

ぬいぐるみ.jpgばば のりこばば 「758(なごや)キッズステーション」には私も何度もおじゃましました。名前のイメージもよく、施設の雰囲気もよかったという印象を持っています。

白石 施設開設に向けた検討段階でも、ばばさんからアドバイスをいただき、ありがとうございました。名古屋の中心に、それも商業ビルの中にオープンできたのは意義があると思っています。

ばば 「ぴよか」なんですけど、スタートしてから1年ですが、順調に使えるお店が増えていて、私も、実際にカードを利用されたお母さんたちや協賛しているお店の方とも直接お話を聞く機会を持ちました。市内の商店街の皆さんが先頭になってこの制度の普及にご努力いただいたということが大きかったのではないでしょうか。これからも、もっと利用できるお店などが増えるといいと思います。

白石 ええ、私も商店街の皆様の取り組みには感心しました。子育ては社会総がかりでという考え方にマッチしてすばらしいと思います。子育て支援の取り組みをさらに広げていくためには、行政だけではなく、これからはもっと企業や事業者の方たちを巻き込んだ展開が必要です。子育てを支援することは、企業のイメージアップにもつながり、「ぴよか」の取り組みは、企業側にもメリットのあるものであり、子育て支援を率先して進める企業を表彰する「子育て支援認定企業表彰制度」とあわせ、企業の力を市の子育て支援施策に活かしていくことができる、効果的な取り組みだと思います。

ばば 学童保育所とトワイライトスクールの良いところを組み合わせた名古屋版の「放課後子どもプラン」の検討が進められていますが、どうお考えですか。

白石 検討していくにあたって大事なことは、子どもたちの安全と保護者の安心だと思います。昔のように学校から帰ってランドセルをパッとおいて外に遊びに行く環境が都市部ではなくなっています。そんな中で、留守家庭の子どもだけでなく、名古屋のすべての子どもにとって安心安全で良いものを用意することが大切です。市内のすべての地域において、学校施設を利用した「名古屋版放課後子どもプラン」が実施できれば、子どもたちにとっても保護者にとっても喜ばしいことではないでしょうか。

ばば 白石先生からみて、名古屋市の子育て支援施策で、これからもっと発展させていきたいというようなお考えはありますか。

白石 核家族が全国的に増えていますが、名古屋は大都市の中で3世代同居の割合がよそと比べて比較的高いんですね。子育てで悩むとき、家におじいちゃん、おばあちゃんがおり、地元に長く住んでいて、一声かけてくださることは名古屋の強みだと思うんです。子育ての小さな悩みが児童虐待に結びつくこともあります。なごやキッズステーションや第2児童相談所の整備もそうですが、いろいろな相談をすることができる機関がより身近に多くあることで状況は相当変わるんじゃないかなと思います。子育てに伴うリスクを社会で補完して行くことが大事で、より一層、地域と行政が連携をとって取り組むことが大切だと思います。ばばさん、これからもいろんな形でご意見を聞かせてくださいね。くれぐれもお体には気をつけてください。ご活躍をお祈りいたします。

ばば こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。


白石 真澄

昭和33年大阪府生まれ。
関西大学大学院工学研究科建築計画学専攻修士課程修了。
西武百貨店、株式会社ニッセイ基礎研究所を経て、東洋大学経済学部助教授、関西大学政策創造学部教授。政府各種委員会委員を務めるほか、テレビ出演、子育てに関する著作・講演多数。